映画小僧の偏見映画研究

ただの映画好きによる映画研究

バック・トゥ・ザ・フューチャー シリーズ

本日はこれ。

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みなさん知ってますよね。

あれです。

デロリアンのやつです。

タイムスリップのやつです。

最近久しぶりに見たのでこれにしました。

 

タイムトラベル映画として1番有名な映画でないでしょうか?

 

僕は小さい頃に金曜ロードショーかなんかで初めて観た気がします。

 

まずタイトルがよくできてますよね。

おしゃれ。

そうでもないか(笑)

 

この映画、結構勘違いしてる人がいますが、スピルバーグは監督じゃなくて製作総指揮で、監督はロバート・ゼメキスていうです。

フォレストガンプの人です。

 

この映画はSF映画の部類ですが、僕はサスペンス要素もかなり強いと思います。

過去に飛べば未来を変えてしまう恐れがあって、未来はどうなっているかわからない。

ドク博士も基本焦ってます。

未来が変わってまう!って。

タイムトラベルが如何に危険かをちゃんと描いてます。

2部は謎解きみたいな映画でもあって、サスペンス要素満載です。

小さい頃見ていた時、少し怖かった記憶があります。

このサスペンス要素とアイディアが結構この映画シリーズの肝だと思ってます。

 

今じゃCGは当たり前ですが、この映画はVFX(CG処理)ができる前なので、化学合成で特殊撮影を補ってます。

CGでリメイクしたら凄そうですよね。

ただ別にやる必要性は全く無いと思います(笑)

 

映画は3部作ですが、もともとシリーズ化の予定は無かったみたいですね。

1部の最後はマーティ達のタイムトラベルはこれからも続くみたいな感じで終わらしたらしいんですけど。

でも1部の終わりは続きが観たくなっちゃう終わり方ですよね。

デロリアンが空を飛びますが、1985年にこれを見ていた人はきっとわくわくしたと思います。

それに過去編見たら、未来編も見てみたいとそりゃ思います。

 

2部がまたダークなテイストで僕は好きなんですよ。

1部は全部オールオッケー的な感じなんですけど、2部は全然オッケーにならない上に、身の周りだけじゃなく、世界にまで影響が及びます。

やばさ規模がぐっと上がるんですよ。

バック・トゥ・ザ・フューチャーは2部が1番良いです。

2部の未来予想も少しおもしろいんですよ。

スピルバーグJrによるジョーズPART19公開

・約400万で車を空飛ぶ車に改造

 

ジョーズ何回やんねん(笑)

しかも息子便乗してるし。

未だに現役のスピルバーグはやっぱりすごいですよね。

 

2部は2015年が舞台ですが、空飛ぶ車などは実現しなかったものの、実際に実現したのもあります。

下記参照↓

https://ciatr.jp/topics/7025

 

ちなみに1.2部にでてくるビフ・タフネンは米大統領ドナルド・トランプから着想を得ているらしいんですよ。

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悪い顔してますねー。

2部では27階建のカジノのオーナーとしてでてくるんですけど、この映画が公開された1989年の5年前にアトランティックシティーに完成したトランプ・プラザホテル(Trump Plaza Hotel)に驚くほど似ているんだとか。

ビフはカジノ経営者として成功を収めた「アメリカ一の富豪」で、世間を牛耳っているという設定なんですけど、映画では大統領選にこそ出馬してないけど、アメリカの英雄と呼ばれ、絶大な権力を持ったという点では言い当てたといっても過言じゃないかも。

2部はこのビフが大活躍してて、非常に素晴らしいキャラです。

 

2部の冒頭は1部のラストシーンなんですが、これは新たに取り直してます。

実際に彼女役は1部と違う人が演じてますから、そういうとこも気を付けて見るとおもしろいかも。

正直いわれても気付かない。

 

同じ役者が一つのシーンに登場する2部は当時の最新合成技術で補ってるみたいです。

今だと簡単ですが、当時は1980年代、大変ですね。

ただこの時代にこの映画を作った事に価値があります。

 

バック・トゥ・ザ・フューチャー、良いとこまだあります。

3部は置いといて、1.2部はテンポが良い。

ストーリーに無駄がないです。

もうぱっぱっぱっと展開していきます。

1部は116分ですが、あっという間です。

よくまとまってると思います。

 

あとタイムトラベルものは理論等が難しいですが、ドク博士が劇中でわかりやすく説明してくれるので納得です。

ちゃんと図を書いたり、模型を作ったりして説明してくれます。

ただ2部はちょっと複雑なんで難しいかもしれません。

 

1部のダンスパーティーの曲も良い。

"Johnny B Goode" - Chuck Berry

耳に残ります。

ちなみにあのシーン、よく見るとマーティは口パクです。

観ててなんか気持ち悪いなーと思って調べたら、Mark Campbellていう人が歌ってるそうです。

あと、マーティがパフォーマンスしているのを観て、指を怪我したボーカリストChuck Berry本人に「ちょっと聞いてみろよ!」と電話越しに演奏を聞かせる場面があります。

マーティがタイムスリップした時代は1955年で、この曲が実際にリリースされたのが1958年。つまりこのマーティのパフォーマンスを聞いて影響を受けて出来た曲、ということになってるんですよ。

細かい遊び心ですよね。

 

 

文句もあります。

演出がわざとらしい。

音の使い方とか。

演技も芝居臭い。

オーバーリアクションというか。

でもバック・トゥ・ザ・フューチャーだから許されるんです(笑)

たぶんわざとなんです。

エンターテイメント映画ですから。

これは文句じゃなかったです(笑)

 

しいていうなら3部が1.2部と比べるとパワーダウンしてしまっていて残念です。

西部劇とオマージュがやりたかったんでしょうけど、うーん、、、

僕は好きじゃないです。

まあ別に観れるんですけど1.2部に比べるとなんか物足りなさを感じます。

正直にいうと退屈です。

 

しかし、自分が子供の頃によく見てた映画はちょっと別の感情が入って、採点となると難しいです(笑)

 

作品評価

1部   4.3/5

2部   4.5/5

3部   2.3/5

 

 

それにしても今から30年程前にこんな夢のある映画が作られたことはすごいですよね。

ちなみに1985年といえば日本ではファミコンスーパーマリオが流行った年です。

ファミコンの時代にこの映画みたら絶対テンション上がりますよ。

今はCGが当たり前で夢みたいな話が多くなって、昔よりハードルは高くなってますが、こういうわくわくする映画をまたリアルタイムで味わいたいなーと思う日々でございます。

 

とりあえず観ておいて損はありませんので観てない方は是非。

 

 

 

 

上海の映画館事情

先週上海で初めて映画館に行きまして、ちょっとカルチャーショックを受けたので、本日は上海の映画館事情について書こうと思います。

 

外国ではイギリスで何度か映画館に行った事があるんですけど、あんまり日本と変わらんかった印象でした。

映画が終わった後に全員スタンディングオベーションしてたぐらいですかね。

 

上海はいろいろと違います。

 

まずはチケットの値段が各劇場によって違うんです。

しかも系列が一緒でも値段が違うんですよ。

日本では基本大人1800円ですよね。

上海は安くて約400円、高くて約1600円ぐらいで、基本700円から1000円の間ぐらいが多い印象でした。

400円は安いですよねー。

僕は上海国際映画祭の会場でもある上海影城ていう映画館で初めて映画を観たんですけど、チケットを買いに受け付けカウンターに向かってたら急におっさんに声かけられて、もう何言ってはるかわからないんで無視してたんですよ。

でチケット購入しようとしたら、そのおっさんが電卓でチケットより安い金額を提示してきたんです。

なんか現金で払ったら安くするみたいで。

このおっさんが安く売ってくれんのかなと思ったら、受け付けの人に交渉しだして、結局安く劇場で買えたんですけど、あのおっさんは何者やったんですかね。

劇場から買ってるんでおっさんにマージンは入らないと思うし、なんなら劇場は損してますからね。

これはほんまに謎でした。

 

 

次にびっくりしたんは、上海の映画は始まる前の映画の新作予告紹介がないんですよ。

1回目は急に画面がついて本編が始まりました。

2回目と3回目観た時は映画とは無関係のCMが流れて本編に移りました。

まだ違うパターンがあるんですかね?

日本では映画が始まる前に新作の予告が流れて、ここで気になる映画を発見したり、僕は結構好きなんですけど、上海は急すぎてびっくりしました。

だから上海で観る機会があれば、遅刻に気を付けてください。

 

あと上海の人は映画本編の終わり後にあるエンドクレジットを観ないんですよ。

エンドクレジットが始まってすぐに明かりがつきます。

たまにあるエンドクレジット後にある予告とか見逃しちゃてるんですかね?

余韻にはひたらせねーよ、と係員さんも睨みをきかしてきます。

映画製作側からするとエンドクレジットも音楽は流れてる訳で、映画の一部として楽しんでもらいたい、と思ってると思うんですけど残念ですね。

僕は基本エンドクレジットも見終わってから席を立つんですが、上海の映画館ではエンドクレジットが始まって、係員の人がさっさと帰れよ臭をずっと出してきたので途中で折れて帰りました。

 

最後に1番カルチャーショックを受けた事なんですが、1回目に見た映画上映中に、写真を撮ってる人がいたり、電話がずっと鳴ってる人がいたんです。

 

えーーーってなりましたよ。

 

写真撮るってなぜに?

SNS

だとしたらもう気持ちが悪いですわ。

 

それに電話って、、、

せめてマナーモードにはしとけよ。

しかも何回も鳴るし、音もでかいし、

デリカシーのかけらもない。

日本やったら絶対文句言うてますね。

でもこれ1回目の劇場だけやったんで、たぶんこれはお客さんが悪かっただけなんです。

いやそう信じたい(笑)

まだ百歩譲ってちょっとしゃべるのはいいんですよ。

それがその人の映画の楽しみ方だと思えるんで。

でもねーやっぱ電話はあかん。

しゃべんのもあかんけどね!(笑)

自分だけじゃなくて他にも観てる人がいるんですから、そこは国とか関係なくデリカシーとして最低限のルールは守って欲しいですよね。

 

いろいろ書きましたが、いってもまだ3回しか上海の映画館に行ってないんで、また新たな発見を楽しみに、これからも新作を観に行きたいと思います。

 

 

 

 

 

ウォーキング・デッド

本日はこれ。

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映画のブログなのにドラマです(笑)

今月見始めてすっかりはまっちまったんで、仲間を増やしにかかります。

 

僕はドラマがあんまり好きじゃないです。

長いし、根気がいるし、大概途中で飽きちゃってやめちゃいます。

実際最後までコンプリートしたドラマは一つもありません。

 

ところがどっこい、ウォーキングデッドはおもしろい。

 

おもしろすぎる。

 

もう止まらない。

 

だれか止めてくれ。

 

前からいろんな人に勧めらて、観てみたらもう完全に中毒。

毎回続きが気になりすぎて気付いたら次の話を観ちゃてました。

 

かの安倍首相もファンだとか。

 

以下ストーリーです。

ウォーキング・デッド』は、ゾンビによる世界の終末を迎えた後の物語であり、荒廃したアメリカ合衆国で安住の地を求めてウォーカー(ゾンビ)の集団から逃れつつ旅をする少人数のグループを描く。ウォーカーとはあらゆる生き物をむさぼり食う動く死人で、人間は脳が無事なまま死亡するとほぼ確実にウォーカーになってしまう。ウォーカーの群れ、事故、そして生存者による略奪など、敵意に満ちた世界で日々直面する試練にもめげず、グループが人間性を保とうと奮闘するジレンマが主に描かれる。

シーズン1は主にアトランタ都市圏を舞台とするが、シーズン2からシーズン4は、ウォーカーから逃れてジョージア州北部地方に舞台を移す。シーズン5中盤からバージニア州リッチモンド、そしてワシントンD.C.へと舞台が変わる。

グループは、ゾンビが大発生する前はジョージア州の小さな町の保安官代理をしていたリック・グライムズが率いる。グループは、社会が崩壊した世界で、ウォーカーの恐怖、グループ内の力関係の変化、そして自らの生存だけを考える数少ない生き残りの人間たちに直面する。

 

ウォーキングデッドはゾンビものですが、人間ドラマがとにかく素晴らしいんですよ。

ゾンビ達と戦うスリル感はもちろん、極限下で生き延びる人間の心の葛藤や様をリアルに描けてます。

なにが正しいとかわかんなくなっちゃたりするわけですよ。この世界だと。

ゾンビだけじゃなくて悪いやつらもでてきますからもう大変です。

人も殺さないといけなくなったりします。

大切な人もどんどん失っていくんで、精神も病んじゃいます。

それでも希望を持って助け合いながら生きていく、という生に対して真剣に向き合っているドラマでもあるんです。

また、この世界になったらこうなるんだろうな、と思わせるぐらいストーリーがしっかりしていて非常に説得力があります。

自分ならどうするか?とかも考えたりして、そういう観点からも楽しめます。

 

ウォーキングデッドではゾンビという単語は意図的に一切使われず、ウォーカーと呼ばれてるんですが、これもオリジナリティを感じますね。

 

あとこのドラマはとにかくキャラクターが魅力的です。

みんな一癖も二癖もあって、尚且つどのキャラも結構掘り下げられてるんですよ。

それによってどれかしらのキャラに感情移入しちゃいます。

これがウォーキングデッドの人気の理由だと思います。

悪役もただ悪いやつというわけじゃなく、この世界になったからこそ狂ってしまったやつもいるんでなかなか憎めません。

 

僕の推しメンは3人。

 

まずは彼。

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みんな大好きダリル。

こいつはとにかくかっこいい。

シーズン1から登場してます。

ボーガンの使い手で、これまた不器用なやつなんですけど、男気あふれるやつで、もうただの良いやつです。

原作では登場せず、別役でオーディションに来たノーマン・リーダス(ダリル役)のためにわざわざダリルという役を作ったようです。

その後人気が爆発して製作側も殺すに殺せないとか(笑)

たしかにダリルが死んだら視聴率は間違いなく下がると思います。

それぐらいかっこいいやつなんですよこいつは。

声もかっこいいんです。

またドラマではクールな役ですが、普段はおちゃめな方で、よくイタズラするようです。

”ノーマンがアンドリューにデタラメな日本語を教えて見事にひっかかる”

https://youtu.be/HUeXjJoY6AA

ちなみにノーマン・リーダスは千葉に住んでた事もあるそうな。

 

 

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2人目は最弱が最強になった女戦士、キャロル。

こちらもシーズン1から登場していて、ファンの間ではキャロル姐さんと呼ばれ、彼女が敵と戦い出す時は、敵の姿やウォーカーに変装して乱闘の場に身を置く事で、縦横無尽に敵を倒したり、隠し持った銃器で油断した敵を一掃するという、圧倒的な戦闘能力をほこり、その姿は『キャロル無双』なんて呼ばれてます。

とにかく強い。

登場した時は、夫にDVを受ける弱い女性でしたが、途中で覚醒。

その変化のギャップはもう爽快です。

ここまで強くなるとは思いもしませんでした。

ダリルともよく2人で行動していて、名コンビです。

 

 

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3人目はカリスマ極悪人ニーガン。

こいつはとにかくやべーやつです。

残忍極まりない男で、人の命を奪うことにも躊躇しない、ウォーキングデッド史上最強最悪のキャラです。

主要キャラも何人かこいつに殺されちゃいます。

シーズン6の最終話に登場して、シーズン7から本格的に出てきます。

救世主という生存者グループのリーダーで、これまた人数がすごいんで、どこのグループも太刀打ちできないんですよ。

基地も何個もあります。

ニーガンのキーアイテム(武器)は有刺鉄線を巻いたバットで、”ルシール”と呼び、まるで生きてるかのように扱い、これで人をボッコボッコに殴り殺します。

また、他の生存者グループと一方的な取り引きしていて、食料などの物資を渡すことを強要してるんですが、主人公リックのグループも脅されるはめになります。

僕はこのニーガンの言葉のチョイスが好きで、子供言葉や言葉遊びを多用するんですけど、これがなんだかニーガンの余裕を表していて、不気味さもあり、悪役としてとても魅力的です。

ニーガンを演じるジェフリー・ディーン・モーガンがまた渋くてかっこいいんですよ。

映画も10本以上出てる大ベテランですが、日本公開作品が少ないため、日本ではあまり知られてません。

完全に”ニーガンの人”になっちゃいました(笑) 

 

 

そんなウォーキングデッドですが、現在シーズンは7まで、シーズン8は10月23日からスタート。

ニーガンとの本格的なバトルも始まるということで、かなり楽しみです。

 

あとウォーキングデッドは、実はコミックが原作で、ドラマと原作は少し違う展開なのでどちらも楽しめます。

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日本語版もでているので、すでにはまっている方や、続きが気になる方は是非。(amazonから購入可能)

 

見ないと損なドラマなんで、是非観る事をお勧めしますが、止まらなくなるので要注意です。

 

作品評価

(シーズン総合)   4/5

 

 

ダンケルク

本日はこれ。

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観てきました。

念願のやつ。

 

1回目は通常盤、2回目をIMAXで計2回観てきました。

 

今回ダンケルクについて書いていくわけですが、本作はその構成上、ネタバレしてもOKだと思ってるんで、今回はそんなに注意しなくて大丈夫です。
たぶん、、、

 

 

ダンケルク、どういう話かと言いますと、1940年5月20日から6月4日にかけてあったダンケルク撤退作戦という第2次大戦のはじめの時にあった有名な戦いを描いた映画です。

 

 

観る前に僕は思いました。

 

 

ダンケルクとはなんぞや?と

 

イギリスとフランスは海を挟んで向かい合ってるわけですが、そのフランス側の海岸にダンケルクはあります。

フランスの人気海水浴場で夏はごった返すそうです。

 

でこの海岸にイギリス、フランス、ベルギー、カナダの連合軍40万がドイツ軍に包囲されたんです。

こんな状態です↓

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 めっちゃ囲まれてます。 

これを船でイギリスまで撤退させる作戦の話です。

 

でこの作戦、奇跡と呼ばれてるんですが、なにが奇跡かって40万人中、約33万人も救出されたんですよ。

結局イギリスは負けてヨーロッパからフランスと共に撤退して、ナチスドイツはその後フランスを完全に占領しちゃいます。

だからダンケルクの戦いは負け戦なんですけど、兵隊たちを助けたことで、イギリスと連合軍は後にドイツに勝つことができたんです。

勝利のための撤退作戦の映画ということで、世界から注目されてるわけです。

 

この映画は

陸地での1週間、

海上での1日間、

上空での1時間

の3つの視点で描いていて、それぞれ非常に異なる視点で対比させながら見せています。

ドイツ軍によってダンケルクの海岸に追い詰められた陸軍の歩兵たち。

彼らを脱出させる海軍。

ドイツ軍の空からの攻撃から歩兵たちを守る戦闘機乗り、この3つです。

 

さてこの映画、一言でいうと

 

「ノーラン式体験型戦争サスペンス映画」

 

まずダンケルク語る上では避けれない監督、クリストファー・ノーラン

バッドマン3部作、インセプションインターステラーなどの監督です。

どんな監督かというと、

CG嫌い、デジタルカメラ嫌い、で有名です。

まあ嫌いではないんでしょうけど、なるべく使わずにリアルを追い求めている方です。

バッドマンでは本物のビル丸ごと一棟爆破したり、巨大トレーラーをひっくり返したり、

インセプションでは、無重力状態を作り出すために築き上げられた360度回転するセットで撮影したり、

インターステラーでは実物大の宇宙船作ったり、

大掛かりな撮影が困難な時はミニチュアとかを作って特撮して、CGをなるべく使わないようにしてます。

 

ストイックですねー。

 

そんなノーラン氏ですが、ダンケルクはCG一切無しとのこと。

 

(ノーラン)「第二次世界大戦の画像には、合成やコンピューターグラフィックスの持つ緑っぽい色は合わないんだよ」

 

はっはい、、、

 

さてどう撮影したかというと、まず劇中の戦闘機2機は本物、レンタルしてます。

そしてもう一機、約5億超でレプリカを作ったみたいです。

つまり、劇中の戦闘機が飛んでるシーンは全部まじで飛んでるわけなんですよ。

撃墜シーンは撃墜用のレプリカをまじで海につっこましてます。

 

映画『ダンケルク』特別映像(驚異の空撮メイキング編

https://youtu.be/FCTTwbRL9iM

 

実際の戦争では何百もの戦闘機が飛び回ってるわけなんですけど、そんなのCG使わないとできないです。

そこでノーランは、

「2機ほんまもん借りれたし、もう1機作って3機をメインにしたらええやん」

という方向にもっていったんです。

まあ本物借りれちゃうとね(笑) 

駆逐艦も本物でフランスの博物館から借りてます。

ボートも当時実際に使われたボートです。

兵隊達も6000人のエキストラと後はハリボテで35万人に見せてます。

すごいですよね。

リアルを追求してます。

中でも戦闘機のシーンは特に素晴らしい。

これらの要素が本作にすごい臨場感をもたらしてるわけです。

 

我々が興味を感じたのは、観客に当事者たちがその現場で感じているのと同じ主観的な経験をさせることだった。

とノーランはコメントしてますが、これがまさに体験映画と呼ばれる所以です。またそのための緻密な計算がいたるとこに張り巡らせてあります。

 

まず初っ端から銃の音がごっついリアル。

からの手持ちカメラで追っかけ。

冒頭から一気に引き込まれちゃうんですよ。

体験型映画というだけあって、もう自分もそこにいるかのようになっちゃうわけです。

ここで観客は兵士にさせられるんですよ。

なんの説明もなく進んでいくんですけど、そんなんいらないんです。

この冒頭の銃撃からいきなりスイッチいれられます。

 

そこからも大変です。

ダンケルクは遠浅で桟橋がないと大きい船が停泊できないんです。

だからみんな桟橋で船を待ってるんですけど、もう空からぎゃんぎゃん攻められます。

船に乗っても銃撃で穴は空くし、爆撃されるし、魚雷もくるし、何回も沈むし、これ助かんのか?てなるわけです。

このリアクション芸がすごい。

セリフとか特にないんですけど、これがまたリアルで無駄がない。

ちょっと落ち着いて、自分の生い立ちとか心情を語り始める、、、

そんな事が一切ないんですよ。

緊張感が途切れないようになっています。

出川哲郎もびっくりのリアルガチです。

 

これどうやって33万にも救出したのかというと、漁船、遊覧船、貨物船、とか民間船を含んだいろんな小さい船がイギリスから約900隻も助けに来るんです。

もうこちとら兵士の1人みたいになってるわけで、船が助けに来たシーンは胸熱でした。

ノーランさん、この英仏海峡を実際に小船で渡ったことがあるそうな。

僕が本当に痛感したのは、民間人が小さな船で戦場へ向かおうと考えることが、どれだけすごいことだったかという点だった。何キロも先の煙や炎が見えたはず。そんな中でも意思を貫いたとおうこと、そしてそれが意味する共通の精神というものが驚くべきものなんだ。

実際では多くの兵士達は駆逐艦で逃げたそうなんですが、今回助けに来る民間船パートを濃く描いたのはこういった思入れがあったからでしょう。

あと、船で助けに来た民間人の中の1人の子供が死んじゃうんですけど、これが戦争のリアルというか、助けに行こうってすごい勇気ある行動でその子が死ぬのはすごい不条理なんですけど、これが戦争の現実というのを突きつけられます。

「戦地においての栄光の死というもの描きたくなかった」

というノーランのコメントを感じられる場面でした。

ただ死に方がちょっと引っかかるんですけどね。

えっこれで死ぬの?みたいな。

 

逃げようとしてる時もドイツ軍が空から攻めてきて、これをトムハーディ演じるパイロットが撃ち落としていくんですけど、燃料が切れてエンジンが止まってもドイツ軍を撃退する姿はこれまた胸熱です。

やっぱりこの映画の1番良いとこはトムハーディのパートなんですよ。

非常にかっこいいです。

 

音も非常にこだわってます。

銃声、爆発音とか臨場感たっぷりでやばさが伝わります。

あと劇中頻繁に時計の秒針みたいな音が鳴ってるんですけど、これがなかなかのジャブで、良い緊張感にしてるんですよ。

当時の戦闘機は1時間ぐらいしか飛べなかったんで時間との戦いみたいなところもあったり。

敵も迫ってますし、全滅するにしても、助かるにしても時間が無い。

この音によって脳に時間の焦りを植え付けてるんですねー。

ノーランも「ダンケルクは時間との戦い」とコメントしていましたが、まさにです。

 

音楽も緊迫感あって良かったです。

怖いんですよ。

映像と大変マッチしております。

 

余談ですがONE DIRECTIONのハリーが出てます。

兵士役にはできるだけ経験の浅い俳優を使いたかったらしく、ハリーは演技経験がなかったそうです。

実際のダンケルクでは、何もわからない18、19歳の若者が生死の境目に放り込まれたからだそうな。

僕は1回目に観た時はハリーがでてた事に気付きませんでした。

2回目観てみるとがっつりでてました(笑)

 

ダンケルクでは敵側のドイツ兵はほぼでてきません。

戦闘機と音ぐらいです。

なのに臨場感があるのはすごい事です。

見えないからこそ怖い、これが戦争だといわんばかり。

恐ろしい演出です。

そして人を殺す描写もありません。実際には何人も死んでるのに死体もそんなに映らないんですよ。

この映画は戦う戦争ものじゃなくて人を救う戦争の話でっせ、ということですね。

この映画、実際にあった記録を元に作られたんですけど、兵士の戦いの実体験を同じ主観で観れるというか、自分もその場にいるぐらいの緊張感と臨場感があって、まさに体験型映画でした。

そして疲れました。

もう解放してくれーてなるんですよ。

もちろん褒め言葉です(笑)

 

こんな緻密な計算された映画なんですけど、文句があるのもわかります。

戦闘機の数が少ない、

背景がわからず感情移入ができない、

民間船員の死に方が弱い、

しんどい、

うーん、たしかに全部わかるんですよ。

リアルを求めた故の弊害が何個かあると思います。

でもこれがノーラン式なんですよ。

あとダンケルクはストーリー自体はシンプルなんで過去作の、メメントインセプションインターステラー、みたいな難しいお題を扱ったノーラン好きの人はがっかりしたかもしれませんねー。

 

イギリス人にとって軍と民が一体になったダンケルク撤退作戦は、「ダンケルクを忘れるな」「ダンケルク魂」っていう言葉がいわれていて、当時イギリスの首相に就任したウィンストン・チャーチルが、

「陸海空において、神が我々に与えた全ての力を用いて戦う」「決して、諦めるな」

と演説で言ってるんですけど、この映画はその「ダンケルク魂」そのものを描いているんだなと思いました。

 

一味違う戦争映画ダンケルク、是非劇場でその臨場感を体験してほしいと思います。

DVD、ネットじゃだめです(笑)

そしてできればIMAXシアターで!

 

作品評価

4/5

 

 

 

銀魂とジョジョ

ダンケルク観ました。

今週末に書けたら書こうと思います。

 

本日は漫画原作の2作品です。

2本とも映画館で観たので、忘れないうちに書いておきます。

まずはこれ。

 

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銀魂です。

漫画はたまに読むぐらいで、ほぼ予備知識無しで観ました。

 

監督は福田雄一さん。

勇者ヨシヒコ、変態仮面、などコメディーで有名な監督です。

 

この映画一言で言うと、

 

「原作を意識した福田作品」

 

漫画はあんまり知りませんが、映画銀魂は漫画の面白さをちゃんと取り入れているんだと思いました。

 

原作者の空知さんのコメントがもうおもしろいです。

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映画の話に戻ります。

そもそも正直僕は福田作品が好きじゃありません。

初めて観た福田作品は「明鳥」という映画だったんですが、おもしろくない。

というより、福田監督の笑いがわからない。

映画銀魂でも福田節は炸裂していて、原作の面白さ(オマージュ等)なんかはおもしろいんですけど、基本そんなにおもしろくない。

でもこれは好みの問題だと思うんです。

福田監督は銀魂というメジャーな漫画を実写化したベテランですし、福田作品という福田流を築き上げてますから、好きな人は好きなんです。

実際に、映画館は公開してから結構経ってるのにほぼ満席、爆笑してる人も多かったです。

そんなおもろいけ?と思いながら観てました。

僕にはわからない、それだけです。

途中寝ちゃいそうになりました。

福田作品は毎回どこかで寝そうになっちゃうんです。

 

ただ豪華な俳優陣だけあって、キャラはみんな良かったですね。

特に橋本環奈さん。

こんな橋本環奈が見れるんだ。て驚きました。

 

そんな銀魂、公開30日で30億突破と大ヒット。

すごいですね、、、

 

僕は実写化映画は、監督の味を原作要素を邪魔せずどう実写化に落とし込むか、というのが結構大事だと思っていて、映画銀魂は見事に福田味を出せています。

 

少し映画の話題からそれますが、ここ数年おもしろい邦画のコメディ作品を観ていない気がします。

僕が好きなのは三谷幸喜さんぐらいですかねー。

日本のバラエティの笑いとか、僕は世界一おもしろいと思ってるんですけど、映画はだめだめですね。

世界に通用する日本のコメディ映画なんて僕には思い当たらない。
このままでは日本のコメディ界は福田監督の独壇場になってしまうので、もっとコメディ作品盛り上がって欲しいと思います。

 

これを機に福田作品を観たことない方は観てみてはいかがでしょうか?

好きな人は好きだと思います。

 

作品評価

2.3/5

 

 

2作品目はこれ。

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ジョジョです。

 

監督は三池崇史さん。

殺し屋1、クローズZERO、最近だと無限の住人、などの作品があり、近年は実写化を多く手掛ける日本でかなり有名な監督です。

 

実写化が決まったと聞いた時、原作の大ファンである僕はすごい心配してました。

なにせ三池監督の前の実写映画、テラフォーマーズはかなりひどかったですから。

しかもジョジョ自体、その奇抜な世界観的にも実写化映画の中でもかなり難しいと思ってたんで。

おいおい、大丈夫か?と

 

で、観てみると、

 

 

素晴らしい。

 

三池さんやってくれました。

 

映画館で観ましたが、迫力満点。

 

まず舞台が良い。

スペインで撮影したらしいですが、それがすごいジョジョの世界観を表現していて、そんな違和感もなくばっちりはまってました。

 

心配していたスタンドもちゃんとしていて、安心しました。

  

後、俳優陣もやっぱり最高なんですよ。

もう漫画のキャラそのまんま。

みんなかっこいい。

特に虹村形兆がかっこいい。

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この形兆のスタンド(バッド・カンパニー)もすごい迫力で大満足です。

弟役の新田真剣佑さんも良かったです。

ただ空条承太郎はちょっと違ったかなー(笑)

想像よりかなりひょろい。

 

ストーリーもうまくまとめていて、ラストも続きが気になる感じで終わっていて、ファンとしては文句がほとんどありません。

ジョジョ原作でもかなり好きなキャラ、吉良吉影編が楽しみです。

 

ジョジョが実写化すると聞いた時、どの部分をやるのかと思いましたが、4部を実写化したのも正解だったと思います。

4部以外は外国人ばっかりの話ですから、4部をやるのが妥当でしょうし。

 

レビューを見ていて、衣装がコスプレという感想がありましたが、あの奇抜な衣装がジョジョの世界観を表現していると思っています。

 

そんな映画ジョジョですが、大コケして大赤字だそうな。

たしかにジョジョファンじゃないとそんなに楽しめないのかもしれませんね。

結構設定がわかりにくい内容ですからファンでも無い限り、観に行かないのでしょう。

続編は果たしてできるんでしょうか、、、

 

あの奇抜なジョジョという漫画をうまく料理した今作。

ジョジョのファンの方には続編続投のためにも是非観て欲しいと思います。

 

作品評価

4/5

 

漫画ファンとして満足してるのでこの点数です。

 

 

ここ数年、ますます多くなっている実写化ですが、やっぱりかなりハードルがありますよね。

僕的に良かった実写化映画は、バグマン、デスノートるろうに剣心、ぐらいでしょうか。

もう大概だめです。

東京グールの映画も観ましたが、ひどい。

ただ僕は実写化は悪いことでは無いと思っています。

やっぱりおもしろいなら観てみたいですしね。

またか、、、とは思いますが(笑)

漫画がヒットしてれば興行的にも製作側からすると安心要素だろうし、そりゃ作っちゃいますよね。

でもこんだけやっちゃうと、もう数年後には実写化できる映画は残らないし、楽しみなくなっちゃうよ、と思ってます。

 

今年はまだ鋼の錬金術師も公開予定ですし、まだまだ実写化映画ブームは続きそうですね。

また心配しながら観に行こうと思います。

 

 

 

 

たかが世界の終わり

ダンケルクが観たい、、、

 

それはさて置き、本日の作品はこれ。

 

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「たかが世界の終わり」

2016年のカンヌのグランプリ作品です。

日本では今年の2月から公開で、僕は渋谷のアップリンクで6月ぐらいに観ました。

 

監督は天才、グザヴィエ・ドラン。

マイマザー、Mommy、私はロランス、といった作品があり、28歳にしてもうカンヌの常連。カンヌの審査員も経験しています。

僕はMommyが初めてみたドラン作品で、そこから年も近いのもあって影響を受けている、というかずっと気にしている監督です。

元々子役で、上記のマイマザーでは主演も兼ねてます。

自己投影型の監督で、天才の代名詞みたいな人です。

しかも男前。

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 愛と葛藤というテーマに毎回とことん向き合っている監督ですが、今作のテーマは家族。

 

 

さて映画ですが、、、

 

 

 

またやられました。

 

映画が終わった後、久しぶりにショックを受けました。

 

ドラン、やっぱりすごいわ。

 

映画は元々が劇作なだけにほとんど会話劇なんですけど、これがまた深い。

 

そして繊細。

 

タイトルもまたいいんです。

洋題は”It's Only the End of World”なんですけど、邦題のたかがっていうのがこれまた味がありますね。

 

今回はネタバレを含みますので、やめて欲しい方はここから注意して下さい。 

以下あらすじです。

「もうすぐ死ぬ」と家族に伝えるために、12年ぶりに帰郷する人気劇作家のルイ。母のマルティーヌは息子の好きな料理を用意し、幼い頃に別れた兄を覚えていない妹のシュザンヌは慣れないオシャレをして待っていた。浮足立つ二人と違って、素っ気なく迎える兄のアントワーヌ、彼の妻のカトリーヌはルイとは初対面だ。オードブルにメインとぎこちない会話が続き、デザートには打ち明けようと決意するルイ。だが、兄の激しい言葉を合図に、それぞれが隠していた思わぬ感情がほとばしる。

 

とにかく会話劇です。

別になにが起こるわけでもなくひたすら会話。

そしてこの会話によって家族の各々が抱えてるものが浮き彫りになっていろいろ見えてきます。

そこがこの映画の凄いとこです。

たいしたこと話してないんですよ。

でもそこから感じるぎこちなさとか距離感。12年も会ってないと、どう接していいのかわからないから、探り探りの会話になるんですよ。

で、そこには埋まらない距離があるわけです。

義理姉のカトリーヌだけは理解してくれそうな感じ。
これは血の繋がってない他人には話しやすいという皮肉です。

繊細ですね。

表現がおしゃれです。

 

主人公のルイは死を告げに帰ってきたんですが、その理由や家を出た理由はほとんど説明が無いんです。

なのに緊張感ある演技と言葉だけで12年という歳月を物語らせ、濃厚な映画にしてます。

素晴らしいです。 

 

家を出た理由は、完全に僕の解釈ですが、ルイは家族に馴染めなかったんだと思います。

同性愛者ということが映画の中でわかりますが、それも家族に受けいれられないと思ったんじゃないかなと。

母ちゃんも兄ちゃんも短気で感情むき出しタイプですし、結構ヒステリックな一家です。

繊細で内気なルイは家族と向き合うことが怖かったんだと思います。

それともそんな家族に嫌気がさしたんでしょうか。

12年ぶりに帰った理由は、なにか変わるんじゃないかという期待だったと思います。

人によっていろんな解釈ができそうです。

 

もうすぐ死ぬと家族に伝えるだけなのに 、なかなか伝えれない。

そもそも勝手に家でて12年も帰らないで、もうすぐ死ぬから言いに帰って来ました。ってエゴというか勝手ですよね。

だからこそなかなか言えないわけですよ。

 

最後に食事の最中に打ちあけようとするんですが、兄ちゃんのアントワーヌが強制的に帰らそうとします。

言わせねーよと。

気付いていたんでしょう。

父親がいなくて、弟は勝手に出て行って、兄ちゃんは頑張ってたんですよ。

誰よりも家族のために努力してるんですけど、おかんや妹にわかってもらえない。

家族を守るためにルイを追い出しますが、これも兄ちゃんのルイへの優しさだと思うんです。

言わせたら家族の平凡な毎日が崩れそうで、、、

そこで家族全員の感情が爆発しちゃいます。

もうド修羅場。感情の戦争です。

でもその全てが愛なんです。

もう胸が痛くなります。

いろいろ悟ったルイは結局言えずに帰ってしまいます。

兄ちゃん役のヴァンサン・カッセルの演技力がほんまにばけもんです。

 

最後の鳩時計のシーンも印象的です。

主人公を表現していると僕は解釈しています。

なかなか考えさせられるラストです。

最初のフリも効いてます。

 

そしてラストの照明とフォーカス。

とんでもない演出力です。

 

音楽も良いんです。

音楽のセンスの高さもドラン作品の魅力ですが、今作も素晴らしい。

オープニングのHome Is Where It Hurts、エンディングのNatural Blues。

2曲とも映画を物語ってるんですよ。

エンディングはかなり胸熱でした。

Natural Bluesが心に爪痕を残しに来やがるんですよ。

終わってすぐiTunsで購入しちゃいました。

 

映画の中で母ちゃんがルイに言ったセリフがすごい印象に残ってます。

「あなたのことが理解できない。でも愛してる。この愛は誰にも奪えない」

泣いてまうがな。

別作品の”わたしはロランス”の「この愛は誰にも壊せない」よりもぼくはグッときました。

 

 

以下はカンヌ映画祭でのドランのスピーチです。

「登場する人物は意地悪く、時に毒を吐きますが、何よりみな心に傷を負った人たちです。彼らは我々の周りにいる人たち、母や兄弟、姉妹たちの多くがそうであるように、恐怖を感じ、自信を失い、愛されていると確信できないで生きています。そんな登場人物たちの感情を描き出すことを、僕は目指しました」

 

言葉の通り、愛してるが故の不器用さを見事に描いてます。

 

こんな深い映画を当時27歳が描いたなんてもうショックですよ。

今後も大注目のグザヴィエ・ドラン。

観たことない方はこの機会に是非。

 

作品評価

4.5/5

 

 

スターウォーズシリーズ

第1回目はこれ。

 

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誰もが知る名作ですね。

初回なんでそれにふさわしいやつにしました。

1番好きな映画を語る上で、毎回話題にあがる映画だと思います。

 

僕も大好きで、たまに見返したりしてます。

2部と3部は当時映画館で観ました。

小さい頃はLEGOでもすごい遊んでいて、スターウォーズで育ったようなもんです。

 

この映画シリーズ、一言で言うと

 

「史上最強の全てが壮大な映画」

 

まず映画の舞台が銀河。

 

これだけでもう壮大ですよね。

 

なんたって銀河ですから。

そんじょそこらの映画とは規模が違います。

 

スターウォーズは冒頭からも壮大です。

この映画、毎回シリーズの冒頭で

「遠い昔、遥か彼方の銀河系で、、、」

という一言からはじまるんですが、この一言でこんな世界どこかにあるかもしれないって思わせるところがスターウォーズ、うまいなーって思います。

宇宙という未知なところをうまく武器にしてますよね。

この一言に説得力があって物語に入り込めちゃいます。

 

ストーリーも壮大です。

クローン大戦、宇宙要塞デス・スター、帝国、銀河共和国、反乱軍、、

 

壮大すぎる、、、

しかもその中にもちゃんと人間ドラマがあるなんてもうどうかしてます。

 

もちろん戦闘シーンも凄いです。

宇宙での宇宙船の戦い、ジェダイやシスによるライトセーバーでの戦い、クローン兵の戦い。

どれも迫力満点です。

宇宙船もかっこいいんですよ。

ライトセーバーでの戦いも1.2.3部はスピーディーでかっこいいです。

というかライトセーバーってすごい発明だと思うんですよ。

今の技術で作れないんですかね?

ちなみに僕の1番好きな戦闘シーンは3部のヨーダとシスの戦いです。

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ライトセーバーの長さは持ち手の身長と比例しているんでしょうか?

それともカスタムなのかな?

とにかくこのシーンはかっこいいです。

 

後、音楽。

スターウォーズの世界観に沿っていて、壮大さがあります。

どれも素晴らしい。

映画で1番好きな音楽といえば、僕は間違いなくスターウォーズです。

中でも好きなのが”Duel of the Fates”という曲。

一度は聴いたことがあると思いますが、これがかなりかっこいい。

車を運転している時に聴くと、スピード違反しちゃいそうな曲です(笑)

 

そしてキャラクター。

惑星ごとにいろんなキャラがいて、これまたあーこんなん本当にどっかにいるんかなーと思えてこれまた楽しい。

しかも設定が細かい。

そこもまたファンは楽しめます。

ちなみに僕は3部に出てくるグリーバス将軍が推しメンです。

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彼はライトセーバーを4本扱うほぼサイボーグの悪役なんですが、子供の頃ライトセーバーに夢中だった僕は、あのライトセーバーを何本ももってて、しかも戦う時腕が2本も増えて、サイボーグだし、しかもバイク超かっこいいし、え、なにこれ、かっこいい、ていうか羨ましい。って思ったのを思い出しました。

1部のダースモールも変わったライトセーバーでかっこよかったですね。

スターウォーズは悪役が本当にかっこいい。

上記の2人しかり、ジャンゴフェットしかり、ドゥークー伯爵しかり、ダースベイダーしかり、、、

大将のシスも戦うところはイケイケでかっこいいんですよ。

じじいやのにめっちゃキレキレな動きしますから、ギャップに惹かれます。

 

そしてこの映画、すごいのが老若男女問わず楽しめちゃうていうとこ。

僕は男なんで女性はわかりませんが、子供はライトセーバーでの戦いぶりに楽しめ、大人は人間ドラマで楽しめる。

イッテQみたいな映画です。

 

 

この映画どんだけ儲けてんのか調べてみるとその額1ドル100円目安だと、、、

 

 

6732億円。

 

ひぇーーー

 

もうわけがわからん。

 

しかもルーカスさん、ディズニーに買収される前はグッズの権利も持っていたとか。

 

ひぇーーー

 

 

スターウォーズシリーズは一応6部作。

それで新たに3作発表されて7部が公開されて今年の12月に8部が公開予定ですね。

 

実はルーカスさん、元々9部作作ると発表してたみたいです。

で後に6部作に訂正、ディズニーに買収されて新たな3部作とスピンオフを発表になりました。

 

7部は良かったといえば良かったかな。

4.5.6部の初代スターウォーズを受け継いだという印象でした。

4部+5部の感じ。

なにが気にくわないって、6部はハッピーエンドで綺麗に終わったんじゃないの??っていうとこなんです。

最初から僕は少し抵抗を感じてたんですよ。

ストームトルーパーがライトセーバーを持つのも気に食わなかったです。

ライトセーバージェダイの物であってほしかったんですよね。

でも最後手放したんで良しとしてます(笑)

 

ローグ・ワンは文句のかけらもない。

ファンのために作ったといってもいいぐらい素晴らしい。

ラストスパートはファンとして胸熱でした。

 

 

スターウォーズは4.5.6.1.2.3.7の順番でできてますが、僕はこの順番で見るのを勧めます。

やっぱり歴史通りに見るのが1番いい気がするんです。

ちなみに1.2.3部は通の間ではプリクエル、4.5.6部はオリジナルと呼ばれてます。

1.2.3部は4.5.6部の答え合わせみたいな映画だと思うんで、正直1.2.3部は見なくても、7部は楽しめます。

そもそも4部から作った理由はプリクエルが戦争の多い話だからお金と当時のCG技術では不可能なのと、一発目成功しないとシリーズ化が難しいから冒険物としてよかった4部から作られたらしい。

 

ファンの間では、1.2.3の新しい方か、4.5.6の古い方かで別れます。

1.2.3好きは若い人に多くて、4.5.6は年配に多い印象です。

僕は1.3.4.6派です(笑)

でもスターウォーズ好きはプリクエルが嫌いな人が多くて、1.2.3なんか認めない!ていう人もいて、

「ザ・ピープルVSジョージ・ルーカス」ていうスターウォーズの熱狂的ファンによるスターウォーズのダメなとこを語るドキュメンタリー映画でもプリクエルは叩かれてます(笑)

またオリジナル版から少し変わったDVD版のこともすごい叩いてます。

すごい影響ですね(笑)

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このプリエクルが駄目ていうのは簡単にいうと、CG使いすぎていろいろ雑になったんじゃないの?っていうことだと思います。

後プリクエルがなくても4.5.6部で成立しちゃうからですかね。

プリクエルはなぜ4部の世界になったのか、とダースベイダー誕生秘話みたいなもんなんで、おまけ感が少しあるのかもしれない。

プリクエルという言葉自体、意味は前編ていう意味ですし。

でも僕はプリクエルを見て育ったんで、シリーズ全部大好きです。 

なにせプリクエルの方がライトセーバーでの戦いは圧倒的にかっこいい。
4.5.6部はどうしてもジェダイが滅んだ後ですしね。

 

それにスターウォーズはダースベイダー(アナキン)物語といってもいいと思うんで、尚更プリクエルは大事だと思うんです。シリーズ全部に登場している上に、もう死んでいる7部でも関係性があるぐらいですから。

逆に言えばプリクエルを作ってしまったが故に、ダースベイダー物語になっちゃったかも知れませんが、、、 

 

まだまだ語れるスターウォーズ

確実に見ないと損な映画だと思うんで見ていない方は是非。

 

May The Force Be With You

 

作品評価

(1-6部総合)   4.7/5

(7部)   3.5/5

(ローグ・ワン)   4.5/5