映画小僧の偏見映画研究

ただの映画好きによる映画研究

最近観たがっかり映画

ここ最近週に10本ぐらい映画を観れるようになりまして、有意義な映画ライフを送れてるんですけど、そりゃ中にはがっかりする映画もあります。

というわけでたまにはディスかまします。

パクチー嫌いの人がパクチー料理食ってまずい!て言うみたいな当たり屋的な僕の偏見的な意見なんで悪しからず。

 

そんながっかり映画はこちら。

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グランド・イリュージョン 見破られたトリック

 グランド・イリュージョンの続編にあたる作品でございます。

 

劇場で見逃して、最近友人に勧められて見たんですけどがっかりしました。

 

レビューでは平均3.5以上と人気のある映画ですが、うーん、、、

 

以下ストーリーです。

1年以上の潜伏を経て、フォー・ホースメンが再び動き出す。

今回のターゲットは大手IT企業オクタ社。オクタが主催するイベントを乗っ取り、携帯電話事業に隠された社の陰謀を暴き出すのが目的だ。

ところが、ホースメンが会場に姿を現した時、そのイベントはさらに別の何者かにより乗っ取られてしまう。ホースメンは会場から脱出すべく緊急脱出用シューターに飛び込むが、出た先はなんと遠く離れた中国・マカオ

困惑するホースメンの前に、死亡したはずのオクタ社の共同経営者ウォルターが現れ、ある取引を持ち掛けた。

 

最初に言っておきますが、この映画ほんまにあかんという訳ではなく、”期待してたが故のあかん”です。

前作良かったし、ハードル上げてみたら駄目だっただけです。

前作はFBIの立場からマジシャン達を追う視点で見る映画でしたが、本作はマジシャンの視点でストーリーが進むケイパーもの映画(チームを組んで強盗/強奪を行う映画)になっていて前作と全く見せ方が違います。

 

さてがっかりポイントですが、たくさんありますが、中でもがっかりしたのが彼です。

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ハリーことダニエル・ラドグリフです。

世界で1番有名な魔法使いを演じたラドグリフがマジシャン映画グランド・イリュージョンに悪役として殴り込み!

しかも予告では

”Science Beats Magic (科学はマジシャンに勝る)”

と、アンチ魔法的なセリフもある。

あんだけ何年も魔法、魔法言うてたラドグリフがそんなん言うなんてそそりますよね。

そりゃ期待しちゃいますよ(笑)

もう観る前からワクワクさせてくれてますやん、と思いながら蓋を開けて観たら、

 

見せ場が無い、、、

 

まずあんまりでてこないんですよ。

で別にそんな科学の天才という感じも全然ない。

 ”Science Beats Magic”

いやそれ言いたいだけですやん!ていう感じです。

で、終盤にはただのファザコン野郎みたいになってしまってて悪役としてとてもチープ。

せっかくポッターブランドもあるんやし、もっとうまく料理できたはずで、非常にもったいないラドグリフの使い方をしたと思います。

本作ではちょっとくせのあるただのお金持ちでした。

 

文句はまだまだあります。

この映画つっこみどころが満載すぎて好きになれないんですよ。

とにかくおかしいとこばっかです。

あと無駄なシーンがちょいちょい。

こういうのが挙げたらキリ無いがないので代表的なやつだけ書きます。

 

まずは今作の注文ポイントでもあるカードリレー。

カード型のチップを盗みだして、ボディーチェックをカードマジック的に仲間内でリレーしていくシーンなんですけど、身体検査終わった箇所に隠しとけばいいものを、わざわざこれから調べられる仲間にパスしていくんですよ。

もうこのシーンやりたいねん感が強すぎて引いてしまうんですよ(笑)

で盗み出した後、このカード型のチップを主人公達が調べてみたら偽物だったんですよ。ところが、その後敵にそのチップが渡ったら本物だった、ていう展開になってるんですけど、この理由とか説明が一切無いんですよ。

もう意味がわからん。

 

バイク逃走シーンもいりません。

バイクのシーンやりたいねん感しかない。

乗って割とすぐ捕まるんですけど、いやだったら乗らせなくて良くないか?

別にすごくないし、かっこよくないし。

このバイク逃走は1番無駄なシーンです。

 

そしてラストのイリュージョン。

規模がでかすぎてもう成立してません。

悪役の3人以外が全員仲間じゃないと無理なんですよ。

悪役の手下はどこいったの?

お金と人手でどんだけ金かけてんの?

いやもはや国動いてるやん、ていうレベル。

全然納得いきません。

しかも種明かしも別にすげーとはならない。

僕はこのシーンでほんまにうんざりしました。

 

あと、最後に明かされる1作目に似たような大どんでん返しがあるんですけど、完全にインフレしてます。

1作目との整合性もおかしくなってくるし、もう大どんでん返し無くていいのにね。

この映画全体を通しても言えるんですけど、理屈が納得できないところが多すぎて、もうええわってなるんですよ。

 

本作は極力CGに頼らずに作ったそうで、役者も過酷なマジックトレーニングをおこなったらしいんですが、CGが当たり前になってなんでもありになった今の映画現状で、マジックを映画でCG無しで披露しても、マジックの魅力みたいなものが全く伝わらないなと思いました。

実際にやってる感も全然ないしね。

マジックを映画でどう見せるか?は今の時代非常に難しい事だと思いますけど、これをちゃんとできてれば革命的な映画にもなり得たと思います。

残念ながら本作は、

ラドグリフを出したいだけ、
かっこいいシーンがやりたいだけ、
ただの”やりたいだけ映画”です。

 

他にも、

催眠術無双すぎ問題、とか

本物の脱出口近すぎるし隠してもない問題、とか

指摘するところはまだまだ山のようにあるんですけどこのぐらいで、、、

 

エンターテイメント映画として見せ方だけが先行していて、その分中身がお粗末になったのは否めません。

 

文句ばっか言いましたけど、面白いとこもあります。

序盤のスピード感あるコメディー要素満載の潜入とか見ていて楽しいし、そういう楽しめるとこはいっぱいあると思います。

個人的には前作にもある、手錠をかけられたのを相手にかけ返すシーンが好きです(笑)

娯楽映画としての最低限の面白さはありますし、視覚的にも楽しめす。単純にケイパーものとして楽しめる方もいると思いますし、好きな人は好きなはず。

つっこみ要素もなんなら笑えるかも。

ただ僕は期待を見事に裏切られました。

興味出た方は是非。

 

作品評価

2/5

 

期待してなかったら3/5ぐらいですかね〜。

 

 

 

おまけのもう1本。

 

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「ミュージアム 序章」

 2016年11月の映画「ミュージアム」のアナザーストーリーです。

ミュージアムは小栗旬主演のやつですね。

本家の方は劇場で観ましたが面白かったです。

漫画原作の映画ですが、僕は映画を観終わってから漫画を読みました。

結構原作に忠実でよく出来てました。

 

で、ミュージアム序章なんですけど、一言でいってまうと、

”やりたいことはわかるけど面白くない”

です。

さらにわかりやすく言うと

”劣化版SAW”

 

以下ストーリーです。

TVジャーナリスト九堂は3年前に起きた“幼女樹脂詰め殺人事件”の取材を続けるうち、自分の娘を何者かに誘拐されるという非常事態に。自ら犯人だと名乗り出たのは、不気味なカエルのマスクをかぶった“カエル男”だが、彼は九堂に対し、誘拐された娘を救いたければすべて自分の指示通りに動き、それら全部の様子を九堂自身がビデオカメラで撮影しろと冷酷に命じる。九堂の運命は、そして“カエル男”の真の目的は何なのか……。

 

 簡単にストーリーを言いますと、

1.記者の娘がカエル男に誘拐される

2.カエル男の命令で女子高生を誘拐

3.途中で女子高生が逃亡。目撃したヤンキーを殺害。

4.女子高生を監禁、娘のためにどこまで人を傷つけれるかをやらされる。

5.女子高生のパパ乱入、記者vsパパ&女子高生の殺し合い。

 

ていう展開なんですけど、設定が本当にSAWに似てるんですよ。

で、なんで劣化版SAWかと言うと、まずオチがだいたい読めてしまうんです。

SAWってやっぱり、えーまじで!?みたいな展開が見どころの1つだと思うんですけど、ミュージアムはもう予想通りに終わってしまいます。

また、SAWではゲームにクリアした者は生きて帰れますけど、ミュージアム序章の助かるはずの人も結局カエル男が殺しちゃうていうオチも、これほんまに駄目やと思います。

これだと最初からカエル男は全員殺そうとしてた訳で、あんだけ犯罪美学に拘ってるのに楽しむためにやったことになってると思うんですよ。

もうほんまに興醒めです。

 

あとSAWって工夫された残酷なゲームも魅力の1つだと思うんですが、ミュージアム序章はもう普通。

殴れだとか、指輪切れだとか、新しさが皆無。

リアルぽさを出したかったと思うんですけど明らかにパンチ不足。

映画ミュージアムの方はひねった残酷さがあっただけに余計にしょぼさを感じました。

 

この作品1時間もないんですけど、体感2時間ぐらいありました。

つまらなさすぎてまだ終わらないのかとほんまに苦痛でした。

これが作品の意図なら大成功です。

 

今作の監督は白石晃士という方で、フェイクドキュメンタリーを得意としている監督なんですけれど、ミュージアム序章も監督得意のPOV形式(主観映像)で撮影していて、カエル男があらゆる場所に仕掛けたカメラ、そして主人公が撮影を強いられた手持ちカメラなどからの映像で成り立ってるんですけど、画力が弱いというか、なんか微妙です。

アイディアは面白いと思うんですけどねー、慣れてしまうともうつまんないんですよ。

WOWOW配信という事で予算も無い感じの中で、このPOV形式はがっつりこの作品に合うと思うんですけど、僕は受け付けませんでした。

POV形式は大賛成なんで、もっと内容が面白ければ良くなってたと思います。

 

自分が記者の立場だったらどうするか、ていうのは考えさせられるんですけど、面白くないからただ胸糞が悪くなりがっかりしました。

正直このレベルなら作らない方が良かった思う。

まさに時間を返せ。

 

作品評価

1/5

 

 

こうやってディスるの前提に書いたのは初めてでしたけど、書く前より嫌いになりました(笑)

でもお金を払って映画を見た人には、その映画を良くも悪くも言える権利があると思うんで、嫌いな映画だったらとことんディスして良いと思うんです。

そういうので話も盛り上がるだろうしね。

という訳でまたこういう当たり屋的な映画ブログもたまには書いていこうと思います。