映画小僧の偏見映画研究

ただの映画好きによる映画研究

【第1回】悪役が素晴らしい映画3選

アウトレイジが観たい、、、

気になる、、、

 

本日は少し趣向を変えて、映画史に残る名悪役の映画を紹介しようと思います。

 

最初に言っておくと、僕は悪役が好きなんです。

悟空よりフリーザ

ジョジョよりディオ、

アラジンよりジャファー、

ジェダイよりシス、

魅力的な悪役は名作の要だと思っていて、逆にしょぼい悪役の映画って大概微妙。

 

僕が思う良い悪役の条件は、

 

1.強さ(権利的な強さも含む)/しぶとさ/空間支配能力

簡単にやられる悪役なんていやですよね?

主人公、そして観客を脅かす強さや、

またくんのかよ、怖いがな

というしぶとさやしつこさはマスト要素です。

またそういった肉体派じゃなくとも、頭の良いやつであれば、その話術や頭の回転で空間を支配し、強さをカバーします。

これらはカリスマ性とかにも通じます。

 

2.キャラの異常性(徹底的/躊躇のなさ/残虐性)

こいつやべー感です。

あと良い悪役は何事もとことんやります。

悪い事をとことんされるのはめっちゃ怖いですよね?

あと悪い事を平気でやる躊躇の無さ。

こんなやばいこと普通の感覚でやってますやん、みたいな。

怖いですよねー。

悪役はやっぱり恐くないといけないですからこれらは非常に重要です。

 

3.サスペンス性

2のキャラの異常性にも通じてるんですが、サスペンス性は悪役の肝で、

こんなやばいやつ、次は一体なにをしでかすねん

と観る人をハラハラドキドキさせる大変重要な役割を担っているわけです。 

 

4.キャラの狂気的なクセ

クセは脳に残り、それが魅力となります。

表情、ワードセンス、話し方、声、動き方、、、

良い悪役は必ずどれもが卓越しています。

気持ち悪さは魅力と紙一重ですが、良い悪役はこのクセが真似したくなる程かっこいいんです。

 

5.信念や思想がちゃんとあり、死ぬまで変わらない

自己哲学というか、悪の美学ですね。

その考えが歪んでたりすると、恐ろしい訳です。

また良い悪役はどこか本質をついていて余計に怖いです。

死ぬまで変わらない事によって、よりキャラの異常性がわかります。

 

 

さて、映画を紹介していきますが、あくまで悪役に着目して今回は書きますので、映画の内容自体にはあまり突っ込みません。

あと紹介していく順番は順位というわけではございません。

 

 

まず1つ目の作品はこちら。

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「レオン」

名作ですね。

ナタリーポートマンの初映画でもあります。

監督はフランスを代表する監督、リュック・ベッソン

96時間シリーズ、トランスポーターシリーズ、LUCYなどの作品で有名で僕も大好きな監督でございます。

以下大まかなストーリーです。

ニューヨークで孤独に生きるイタリア系移民のレオンは、プロの殺し屋として、表の顔はイタリアレストランの経営者で、イタリア系マフィアのボスであるトニーを介した依頼を完璧に遂行する日々を送っていた。 ある日、「仕事」帰りのレオンはアパートの隣室に住む少女マチルダと、彼女の顔に父親からの暴力の痕があることをきっかけに知り合う、、、

 

そして本作における悪役がこちら。

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悪役界の王様、ゲイリー・オールドマン演じるノーマン・スタンスフィールド。

麻薬取締局の刑事でありながら、麻薬密売組織を裏で牛耳る男で、非常に残忍かつ冷酷非情な性格であり、女・子供を含める無関係な人間を殺すことに一切躊躇いを見せない悪徳刑事です。

自らもエクスタシーを常用する薬ジャンキーです。

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上のスタンスフィールドが薬を決めてるシーンは普通のカプセル錠剤を飲む時に真似をする人が多発した程、印象に残るシーンです。

 

とにかくこの映画では、エキセントリックで不気味でやばすぎるスタンスフィールドを演じたゲイリーオールドマンの演技がもう神がかってます。

その演技力に影響された役者も多く、ブラッド・ピッドは”GOD”と称えてます。

僕も1番好きな役者さんです。

どの役も独特な雰囲気があって、ほんまにかっこいいんですよ。

狂気的な悪役を演じることが多く、彼自身もそのイメージが付きまとっている事に悩んだといいます。

悪役好きの僕としてはたまんないんですけどね。

ハリーポッターシリーズのシリウスを演じてからは主人公を支えるサブキャラが多くなりました。

バッドマンでのゴードン警部補は渋いですし、シリウスもかっこよかったですよねー。

最近ではヒットマンズ・ボディガードという映画で悪役として出てました。

日本ではNetflixのみでしか観れませんが、面白かったので是非観てみてください。

 

映画レオン、必ず観るべき作品だと思うので是非。

 

作品評価

4.8/5

 

 

 

2つ目はこちら。

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バットマン3部作の2作目、「ダークナイト

ごりっごりっ有名です。

説明不要かも知れませんね。

監督はダンケルククリストファー・ノーラン

こちらも悪役について話す時に必ず話題に上がる映画ですね。

僕もバッドマンシリーズの中で1番好きな映画です。

アメコミ原作でありながら、クライムサスペンス、アクション、スリラーなどの要素が非常に優れたヒーロー映画ということで、そこらへんの映画とは格が違います。

悪役はこちら。

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ヒース・レジャー演じるジョーカーです。

ジョーカーとしては3代目。

もうこの映画はジョーカーの映画です。

バッドマンを完全に食ってます。

 

本作のジョーカーはとにかく不気味。

そしてキャラのクセがすごい。

もう人が演じてるとは思えないぐらいすごいキャラです。

まさにヒースがジョーカーに憑依しています。

ヒースさんはこのジョーカーを演じるにあたって、1ヶ月間ロンドンのホテルにひとりきりで閉じこもり、ジョーカー独特の声や笑い方を作り上げるなどして圧倒的な役作りをして作品に挑んだそうです。

ストイックですよねー。

また”ジョーカー日記”といものがあり、ヒースはジョーカーの情報を書き綴っていたそうです。

 

ヒースはオーストラリア出身の俳優で、『恋のからさわぎ』でハリウッドデビューした当初はアイドル路線だったみたいなんですが、本人の希望により演技派として路線変更してます。

 

とにかくヒースの作り込んだ演技が本作の魅力。

声のトーンが非常に不気味で、僕はこれが1番のジョーカーの魅力だと思います。

そしてワードセンス。

ユーモアもありすごく魅力的で”Why so serious?”など名言も多いです。

 

またジョーカーは、秩序とカオス、正義と悪といった表裏一体なものを乱し、混乱をもたらすといった目的があり、ちゃんと思想や自己哲学があるんですよ。

だたのクレイジーではないんですねー。

もう思想のくせがすごい。

どこか人間の本質を突いてそうで、これがまたジョーカーの悪役としての格を上げてます。

 

あと当然と言えば当然なんですが、ジョーカーが出てくるシーンは全部すごい印象に残るんですよ。

僕のお気に入りシーンベスト3は、

・いきなり不気味さ全開のオープニング

・取調室のシーン

・病院爆破のシーン

の3つです。

病院爆破のシーンはメイキングを観ても面白いですよ。

まじで爆破してますから。

 https://youtu.be/2az9YtNuFZg

 

残念ながらヒースは28歳という若さで映画が完成する前に亡くなってしまいます。

体調が悪く、薬の併用摂取による急性薬物中毒による事故死だったようです。

非常に残念ですね。

この映画でヒースはアカデミー助演男優賞などいろんな映画祭で賞を総なめしてます。

亡くなってしまったこともあり、伝説的な映画になりました。

 

ヒースのジョーカーは最高なんですけど、ジャックニコルソンの2代目ジョーカーも僕は好きです。

スーサイドスクワットのジョーカーは微妙でした。

 

作品評価

4.7/5

 

 

 

3つ目はこちら。

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「イングロリアスバスターズ」

僕はタランティーノが映画監督で1番好きなんですけど、この映画も大好きで、本当はこの映画だけでブログ書きたいんですけど、それはまたの機会に。

以下ストーリーです。

舞台となるのは第二次世界大戦ナチスのランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)に家族を虐殺されたユダヤ系フランス人の少女ショシャナ(メラニー・ロラン)は彼の手を逃れ、パリで別人として暮らし始めます。
一方、ユダヤ系アメリカ人から成る秘密部隊”イングロリアス・バスターズ”を率いるレイン中尉(ブラッド・ピット)はナチス兵を次々と血祭りにあげていました。
数年後、ランダ大佐にパリで偶然再会したショシャナは家族の復讐を誓うのですが、その頃レイン中佐もパリでの作戦を実行に移していました。様々な人物の思惑が交錯し、物語は怒濤のクライマックスへ、、、

この映画を一言でいっておきますと、

タランティーノ作品における最高にお洒落、且つ最高のエンターテイメント会話サスペンス映画」

です。

ちなみにショシャナ役のメラニーロランがどタイプです。

さて悪役はこちら。

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クリストフ・ヴァルツ演じるランダ親衛隊大佐。

一見紳士的ながら腹の中では底知れぬ冷徹さを兼ね揃えているナチス親衛隊の大佐でございます。

また観察眼や洞察力、推理力に優れており、フランスに隠れるユダヤ人を発見する能力が長けていることから「ユダヤ・ハンター」と呼ばれています。

本作は騙し合いの心理戦が魅力ですが、ユダヤ人や裏切り者を捜す洞察力、推理力はさながらシャーロック・ホームズで、この頭のキレがこの映画にサスペンス性をもたらしています。

バレんのちゃうか〜とハラハラドキドキする訳です。

 

こいつはとにかく頭が良いです。

そして話術がすごい。

和かな態度や物腰で人に接するんですけど、有無を言わせぬ威圧感があります。

別に脅し文句はとか全く言ってないんですよ。

例え力、嫌味力がもう凄くて、じわじわと首を絞めるような話術がこのランダ大佐の武器です。

またユーモアを交えることで緩急をつけ、よりパンチを効かせてます。

凄まじい空間支配能力です。

チャプター1(1/5章)から登場するんですが、ここでユダヤ人を匿ってるおじちゃんを何気ない会話から言葉巧みに尋問して、家の床下にユダヤ一家が隠れていることを聞き出すんですよ。

意思のすごく固そうな、誠実そうな、絶対ちくらなさそうなおじちゃんが、ランダ大佐によって落ちてしまうんですけど、いかにランダ大佐の話術がすごいかがこのシーンでわかります。

落としのランさんです。

さらにランさんは語学が堪能で、母国語のドイツ語はもちろん、英語、フランス語、イタリア語を劇中で披露しています。

チャプター1でも最初おじちゃんとフランス語で会話をするんですけど、

「わしフランス語そんな得意ちゃうねん、君英語しゃべれるらしいやん。英語でええか?」

と途中から英語になるんですけど、隠れてるユダヤ人は英語がわからない訳で、会話を聞かれないようにするためだったんですよ。

かしこですねー。

お洒落な伏線です。

このチャプター1が僕は非常に好きで、映画史に残る名場面だと思ってます。

 

そんな話上手のランさんは並はずれた狡猾さも持っています。

ヒトラー暗殺計画を知ったランさんは捕まえたバスターズを餌に、レイン中尉(ブラピ)に掛け合い、ヒトラー暗殺作戦に自分も参加したことにして、戦争を終わらせた英雄になり、アメリカに亡命しようするんですが、ランさんはそれだけじゃ終わりません。

そこからさらに、アメリカに永住できる市民権、たんまりの年金と恩賞、名誉勲章、不動産まで要求するという抜け目のなさ。

ユダヤ人をさんざん殺しときながら国を捨て、アメリカで悠々自適な生活を送ろうとするなんてずる賢いですよねー。

 

ランさんは大佐だけあって身なりも良いですし、語学堪能だし、賢いし、品のある頭脳派悪役になっていて、この映画全体を圧倒的に支配しています。

 

なによりランさんを演じたクリストフヴァルツが素晴らしい。

この映画でヴァルツさんはカンヌ国際映画祭男優賞、アカデミー賞助演男優賞を受賞してます。

タランティーノ本人にも、

ランダ役は今まで生み出した中で最高のキャラクターの一人だったから、クリストフと同等の俳優がいなければ『イングロリアス・バスターズ』は作れなかったよ

と言わしめてます。

この映画で僕もヴァルツさんの虜になりました。

本作以降では同監督の”ジャンゴ”で渋い賞金稼ぎを演じ、2度目のアカデミー賞を受賞したり、”007スペクター”ではジェームズ・ボンドの宿敵である犯罪組織スペクターの首領を演じたりと大活躍中です。

どちらも魅力的なキャラで尚且つ映画としても最高です。

 

作品評価

 5/5

タランティーノの大ファンなので贔屓してます(笑)

 

 

こうして見るとかなりベタな映画を選んでましたね(笑)

魅力的な悪役が出てくる映画はまだまだあります。

悪役好きとして、またこのシリーズのブログを書こうと思います。